「ちゅら音楽館」を始めた意義
by 渡辺総生

「ちゅら音楽館」は終了しました。
本文は、動機の保存を目的とした回顧録です。

※アンサンブル電子ピアノ(Roland KR107R)による
勝子さんの思い出をイメージした、ピアノと弦楽器のアンサンブル

えりぃの母「古波蔵勝子 : こはぐら かつこ 役」
故 田中好子 追悼

現実味あふれながら母・妻・嫁の狭間を行き交い、
実は結構おとぼけなキャラをも演じ分けていた 故 田中好子 さん。
あり得ない主役や極端な男ども、凄腕実力派の脇役を向こうに回し、
乱れがちなストーリーの「本筋」をしっかり固めていたのは、
古波蔵家に訳あって嫁入りした 勝子さん だったと私は思います。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

「ちゅらさん 回想」 2'30
.mp3 4.7MB

「糸の切れた凧とまぶい2011(渡辺仮称)ピアノソロ」 1'30 
.mp3 2.8MB

以前はストリーミングを用意していましたが、
「再生できない」というご意見多数のため、
少々重いですがMP3ファイルで上げてあります。

NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」は2001年4月〜9月に放映され、これまで連続ドラマに縁のなかった視聴者層に その存在感を見せつけました。その推進力は「俳優の演技力と演出によるわかり易い笑いや感動」「今時なかなかない純粋さと加減具合」そして「音楽の力」です。
作曲家 丸山和範 氏による多くの劇中音楽とその変奏群は、物語りの背景に在る心理やストーリーの進み具合を端的に示し、見る者の心の底に深く浸透しました。 これは私の運営するサイト「街の音楽教室」実験センター「音楽の影響力」の強烈な実証に他なりません。

 

本放送のビデオをお持ちの方は、番組の終わりと次の日の放送で同じシーンが使われている時の音楽を聞き直してみて下さい。 異なる音楽を使用することで、ドラマの流れが大きく変わっている事が多いのに気が付くでしょう。それはそのまま見る者の心理状態を変化させています。
(連続して放送されるドラマならではの演出効果です。総集編では音楽の使い方もいろいろと変わり、役割もそれに伴って変化しています)

 


2001年末の総集編ではストーリーの流れと登場人物紹介程度で、個々のキャラクターが毎日醸し出す「日常的な感動」や、丸山氏の「音楽の素晴らしさ・気持ちよさ」は充分出ていない、 あのドラマの持つ本当の力は一割も発揮されていないと感じました。

ドラマとしては決して完成度の高い作品ではなかったと思います。
終盤の間延びや癖のある仕上げで、万人に好まれるというものでもないとも感じます。
しかしあのドラマがあったおかげで、幾つかの犯罪や事故が未然に防がれたかも知れないと真剣に思います。と同時に、放送直後に起こってしまった様々な事件の中には、あのドラマを見て何がしかの自己変化に達していれば防げたものもあったのでは、と私は思ってしまいます。 理屈で追い詰められ、煮詰まってしまった人たちも救うような力を持っていると思います。

「ちゅらさん」は2001年の話題にこそなりましたが実際に見ていた人はあまり多くはなかったようです。それは放送時間帯が生活リズムに合わない人が増えたり、「NHK連続テレビ小説」そのものへの評価が下がっていたなど、番組内容とは別次元の問題によるものと考えます。 偶然見始めてハマってしまった人はとても多いはずで、このまま忘れ去られてはいけないと考えます。こんな思いを抱いているのは決して私だけではないと思います。

私は日本人に活力を与えるドラマの恩恵を風化させない為にも、CDや楽譜といった形で公表されていない「ちゅらさん音楽」をここで随時公開して行く構想を持ちました。 劇中曲を聴く事で「朝から幸せな気分にしてくれたドラマ」の心理状態を呼び覚まし、「希望」や「信じる力」をより強く持つお手伝いが出来るのならば、私がネット上で演奏する意味も充分見出せると考えます。

2002年 渡辺総生

 

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